2019-01-01から1年間の記事一覧
猫が飼い主を呼ぶように少し甘えた声で、 生前、母は、階段の下から 「のんちゃん、のんちゃん…」 と私の名を呼んだ。 2階にある私の部屋には、ある時期から、階段の掃除の時、意外、ほとんど誰も階段を登ってこなくなった。ほとんど部屋には誰も入れなかっ…
白ずくめのシンプルないでたちで、白いドラム缶と共に美術館にパフォーマーとしてやってきた。 初めて彼に会った日、 得体の知れない不思議な男、 そんな印象を持った。 その不思議な印象は、その後も続いた。 去年の舞台・歓喜咲楽、 そして、展覧会・歓喜…
翌朝、南国の光が降りそそぐ中、奄美の黒うさぎツアーをした道を再度、バスに揺られる。 トンネルを何本も通り抜ける。 トンネルをくぐり抜けるたびに雰囲気の違うエリアがふっと現れる。 南に向かうほどにオレンジがかったフィルター越しに風景を眺めている…
いろんな場所から電話が来る、 メールが来る。大丈夫だった?被害はなかった?何年ぶりに声を聞く人、遠くは九州の離島からも電話があった。想いが気遣いの言葉となって、私に届いた。人の想いの有り難さよ…。 ー一大丈夫、無事です。 朝から晩まで、自衛隊…
4年ぐらい前に読んだ本がきかっけに念願の場所への出発にお許しが出て、旅に出た。 目指す場所は、遠く、テレビの天気予報の衛星写真を見るたびに、その距離の遠さを確認していた。 テレビでは、大型台風上陸と警戒を呼びかけていたが、ギリギリなんとか帰っ…
買い物で立ち寄ったいつものスーパーの入口に貼ってあったポスターの中に、"墨と油絵で描く"という文字を見つけた。 「墨と油絵って、どんな展示だろう…?」 墨も油絵も使う自分にとって、自然に興味を持った。 展覧会、最終日の会場へ急ぐ。 ちょうど一年前…
夜の濃度が濃くなってきている。月や星々もちょっと前より、キリッとした輪郭で、輝きを増しているかのようだ。その闇をくぐり抜けて、どこからともなくふんわりと金木犀の香りが届いた。虫たちのたどたどしかった鳴き声も ずいぶんと上達したようで、秋の風…
長い一日。 疲れ果てて、もう一踏ん張りの家事。 夕方、洗濯したシーツを干して、ふと空を見上げると淡いブルーとオレンジがふんわり広がりながら、空を染めていた。 その色彩のコントラストとハーモニーにふと緊張しきっていたこころが緩む。 消耗し、放電…
今年は、充電する時期に決めた。 そう決めてから一ヶ月。 間が空くことが、ちょっと怖かったけれど・・・。 だからといって何も描かないわけではないけれど。 インプットする時間も必要。 やっと部屋を片付けて、廊下に放置してあった神楽坂からの荷物をほど…
白い空間に作家たちのポートレート写真が点在していた。 さまざまな個性と共に切り取られている写真の中に、戸惑いや試行錯誤を経て、新しい挑戦への足掛かりを得た写真家の姿が垣間見れる。 写真家 阿部 貴彦氏の初個展のクロージングを締めくくる夜に、芸…
暑い夏。そして、熱い熱がこもった夏だった。 また、一つ年を重ねて、急降下していた気持ちを救い上げてくれた同士との久々の再会が相次ぎ、 そんな仲間の展覧会パーティーが続いた月でもあった。 私を取り囲む暖かいまなざしが肩を抱いてくれているような和…
テレビもあまり見なくなった 情報源は、ほとんどラジオか新聞かネット 新聞は、かなり偏りがあるから、、一つの比較対象として見る感じ。 情報も自分で選び取る時代になっていているのに、テレビは、遅れたメディアになりつつある気配は以前からあった。 テ…
久々に雨の音がする夜。 ほんのひと時のお湿りでも、天からの恵みの雨と涼風。 去年の誕生日には、中学時代からの友達に誕生日をしてもらい呑んでいたら、そのお店のテレビがついていて、楽天ゴールデンイーグルスの梨田監督が満面の笑みで写っていた。試合…
妖しげな姿で匂いたつ花。 固有の色彩を持つ花が、あらゆる角度から視線を向けられ、最後の位置で、独自の存在感を際立たせるようにフレームの中、納められてゆく。 同じ頃に知った2人。 どちらも花に関わる写真を撮る人だった。 平凡社から出ている雑誌「太…
この言葉は、もう時代遅れなのかなぁ…。 この言葉は、たっぷりと昭和の気配を醸し出している。 けれど、私の中では、明確な鮮度をもって心の中、生きている言葉だ。 無頼派…。 戦後の無頼派と呼ばれた人たちは数知れず…。 現代は、どうか? 私は現代文学には…
気がつけば、1週間、家でも外でもカレーを食べ続けていた。 イチローのようにはいかないまでも、毎日、カレーでもオッケーな時がある。 久々の秋保。 知り合いの展示を観に、 初めて行った佐々木美術館。 美術館開館6周年を記念する展覧会だった。 実力派の…
光る稲妻。そこからしばし遅れて、空がひび割れるような音が鳴り響く。 雷雨が窓の外、降りしきる夕暮れ。室内には、渡り鳥が海を渡る音楽。 水の気が部屋中を満たしてゆく。 6月の気配。 2年前に行った個展で生まれた言葉。 その時にできた絵を削ったり、…
新宿の女 歌舞伎町の女王 欲望が渦巻く 新宿駅西口。 ゴジラがひょっこり、顔を出す。 雑多なエネルギーが過剰な色彩と看板の文字が反乱する。 独自の混沌と猥雑さの中に人々が混ざり合い、エネルギーを増幅させている。 新宿西口の風景って、昔から持ってい…
深い深い緑。 そこは限りなく暗く、闇のような色も孕んだ静けさが新緑と共にある場所。 緑したたる森の中に導かれるように、また、一歩、歩みを進める。 常に自分の心が羅針盤なのだが、 自然と導かれているようにも感じられる。 周りに潜む声にも耳をすまし…
一年前、展示の打ち合わせのために、初めてホテルに辿り着いた時、まだ、待ち合わせには時間があった。少し、ホテルの周りを歩いているとホテルの裏側に神社があるのを見つけた。鳥居をくぐり、お願いではなく、この土地に入らせてくださいと挨拶しに行った…
ちょっといつものゴールデンウィークとは、雰囲気が違う。 テレビでは、天皇陛下、万歳のような番組が一列に並ぶ。 平成最後の日をどんな風に過ごしますか?と街頭インタビュー。 厚い曇に覆われた空の下、改元への熱がこもって、さらに湿度を高めているみた…
製作に没頭したい時に聴いていたのは、プリンスのアルバム「Piano & Microphone1983」去年、出たプリンスの新譜。 「パープル・レイン」以前のデモ・テープが音源で、若き日のブレイク前のプリンスがピアノの弾き語りで聴かせる一枚だ。 荒削りで、マスター…
籠っています。 アトリエの穴の中、ひたすら…。 時折、この籠り方を天の岩戸に例えて使っています。 昔ばなしと言えば、時々思い出すのが、鶴の恩返しのようなシチュエーション。恩返しは、とくにありませんが…。 「けして見てはなりませんよ…」ピシャッ っ…
先日、このブログの中で、『記憶の木』のことを書いた。 記憶の中、浮かんできた木を探していたら、海辺の近くで、その木を見つけたという内容。 私にとっての身近にある宇宙樹のような木。 その木を見つけたのは寒風吹き荒む1月だった。あまりの寒さに外で…
『私のフランソワーズ』 ユーミンの荒井 由実時代の名曲。 フランスを代表する歌手・フランソワーズ・アルディのことを唄った曲。 まっすぐに突き抜けるように唄うサビのフレーズに、若き日のユーミンのフランソワーズに対する憧れと熱い想いを切なく歌い上…
ひと昔前、流行った言葉の中に 自分探しという言葉があった。 今も現在進行形で生きている言葉なのかな・・・・。SNSの普及によって、その人の世界観が見えるようになった時代。 アイデンティティーが問われる時代になったようにも感じる。 何かしていな…
2月の初め、田んぼを歩いていた。 雪が少し残った場所は、湿気を帯びたせいか、土が真っ黒なことに気が付く。 手で触れてみると、柔らかく、粘土をいじっている時の感触に近い。 この土の中には、たくさん微細なものが集まっていて、ミクロコスモスの縮図の…
最近、とても眠い時には早く寝入ってしまう。 そして、翌朝、とても印象的な夢が記憶に残っていることがある。どれも神社仏閣や龍や水が出てくるという・・・。 夢で、温泉に入っていたら、その温泉の窓から一匹の龍が入ってきて、それが白い衣を着た、髪の…
次の日からは、列車での旅。事前にネット予約していたので、現地でのやり取りはない。イタリアでは改札口がない。 (ヨーロッパはどこもそうなのかな?)電車に乗っても車掌さんが来る時と来ない時があり、これって大丈夫?と思わずにいられなかった。これじゃ…
ちょうど、1年前に行ったイタリアの旅行日記を今頃、up…します。 今頃かよ! 今頃です…(汗) 書いたまま下書きにあったものです。 本当は、冊子みたいにして、本のような形にしたいのですが…、なかなか出来ずにいます。 多少、リアルタイムで載せたブログと…