ちょうど、1年前に行ったイタリアの旅行日記を今頃、up…します。
今頃かよ!
今頃です…(汗)
書いたまま下書きにあったものです。
本当は、冊子みたいにして、本のような形にしたいのですが…、なかなか出来ずにいます。
多少、リアルタイムで載せたブログとだぶる箇所もありますがご了承ください。
書いた分だけ、備忘録としてここに記します。
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2018.2.18
パリでのグループ展が終わり、シャルル・ドゴール空港から、ヨーロッパのLCCの飛行機イージージェットに乗って、イタリアへ。
初めてのイタリア。
フランスから1時間40分の空路。
眼下に広がるパリの都市の風景から、次第に緑豊かな田園が広がり、フランスは、やはり農業国なのだなぁと感じ入りながら、窓を眺める。そして、海を渡り、風景が次第に変わり始めた。
そして、飛行機は、少しずつ高度を落とし始めた。
あれ、もう着くの?
と思ったけれど、なにやら様子が違う。
この飛行機は、ヴェネツィア付近の海岸線をずっと低空飛行し、乗客をもてなそうとしているのだった。
なんという遊び心とサービス精神!!
やるなぁ、イージージェットとうなった。
あまりの低空飛行に、少々、怖さも感じながらも、水の中に浮かぶ島の佇まいが目前に迫ってくる。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「ヴェニスに死す」の舞台にもなり、毎年、行われるヴェネツィア国際映画祭が行われる細長い島リド島も眼下に拝めた。点在する島には、長い歴史の中、造られた教会や街の風景が広がっていた。
今から、冒険が始まる。
高鳴る胸を押さえながら、息をのんだ・・。
飛行機は、イタリアの地へ、ゆっくりと車輪を降ろし、離陸した。
降り立ったヴェネツィアマルコポーロ空港は、灰色の空が広がり、冷たい風が吹いていた。
空港からヴェネツィアまでは、高速バスで向かった。
重いトランクをよっこらしょと自分でトランクルームに積み込み車内へ。
今はどこでもそうだが、やはり、車内でも中国人の乗客が多かった。
車やトラムが行き交うローマ広場に到着。そこから作品が入った25kgのスーツケースをデコボコの石畳みの上、押して歩き、その車輪の音だけがやたらと響いていた。
夜な夜な自分でブッキングし、コストと交通機関から近い場所が兼ね合うホテルを探しに探した。ここも駅から10分以内。
CASA ANDOREA~アンドレアの家~
行く前からとても楽しみにしていた宿泊先だった。
そこは教会と教会に挟まれた元・修道院を改装したホテル。
「ボンジョールノ」とこの国で初めての挨拶をし、パスポートと予約票を見せ、鍵を貰った。チェックインを済ませると上の階へ行くためのエレベーターに乗った。
これが今まで見たことも乗ったこともないようなエレベーターだった。中へ入るとエレベーターの左側には壁がなくくり抜かれており、ずっとボタンに指をあて押し続けなければ動かない・・・。のろのろとした動きに”本当に着くの?”と不安になり、しばし旅の友と見つめ合っていた。2階についたら壁のない方から出るらしかった。かなりのオールドスタイル!古い建物を活かしながら、近代の生活をするということの共生みたいなことを実践する国の価値観を垣間見たようだった。
ホテルの室内は広くこぎれいに整えられており、大理石の室内をオイルヒーターの暖房がふわっと温めてくれていた。窓を開けると向かいに教会があり、手前の家から細い煙がうっすらと立ち上ってゆくのが見えた。
ホテルの内部を少し見て歩くと大きなモニターのある集会所のような部屋があった。大勢でワールドカップなどのサッカー観戦などもするのかもしれないが、なんとなくおごそかな雰囲気も残っていた。フラットに部屋が続いているホテルとは違い、部屋と部屋との間がちょっと入り組んだ凹凸のある複雑な部屋割がしてあり、印象に残った。そして、大理石の古い階段を降りながら、この階段は何世紀前のものなんだろうか?前世でも歩いたことのある階段なの?と妄想しながら、元・修道院の雰囲気を味わっていた。
荷物を置いて、外へ出ようとホテルマンに断りを言おうとしたが、彼は、白熱したサッカー中継に釘づけになっていて、私たちの存在にすら気づいていないようだった。いかにもイタリアらしい光景に笑いが漏れる。
寒風吹きずさむヴェネツィアの中心地へと向かう。2月ということもあり、寒さは地元・仙台同様・・・。かぶっていたベレー帽をすっぽりとかぶり直す。
大きなアーチ型の橋から先は、車両は入れない。当然、自転車もご遠慮くださいとの徹底ぶりだ。
橋を渡り、明日、利用するサンタ・ルチア駅を下見しに行った。行く途中、なぜか、日本の無印良品のヴェネツィア店があって、なぜこんなところに?に思わずにはいられなかった。
カーニバルが終わっただからだろうか、石畳みに細かい色とりどりの花吹雪のようなものが散乱している箇所もあり、なんとなく祭りの余韻だけを感じさせていた。
仮面を売る店、ヴェネツィアンガラスなどを陳列した土産物屋が軒を連ね、色とりどりのお土産屋や繊細な工芸品を扱うお店を流すように歩く。
夕食はバールに入り、ラザニアとカモミールティを頂く。
消化にいいためか、イタリア人はよくカモミールを飲む習慣があるらしく、スーパーでもカモミールティーのティーパックが売られているのをよく見かけた。寒かったこともあり、カモミールティーが芯から冷えた身体を温めてくれた。
一人前の量が多いかと思い、2人で半分したけれど、以外と日本と同じくらいの量で、どうもお腹が満たされない・・。
そこで昔ながらの古い食品店に入り、木製のガラスケースに陳列されている中を物色。トマトソースが無造作に塗られ、大きくカットされたピザを買い求めた。なんかこの大雑把さが庶民的で、自分の感じているイタリアっぽさに近い感じがして嬉しくなった。
部屋に戻り、ベッドの上でそれをたいらげ、胃袋を満たし、シャワーを浴びて、長い長い1日を終えた。