宙色Japanの展覧会が無事、終わり、メンバーたちに別れを告げて、次の目的地へと向かいました。
100あまりの島を眼下に見下ろしながら、降り立ったイタリア、マルコポーロ空港。
そこから”水の都・ヴェネツィア”へ。
去年の1月のブログにも銀座での個展の際に感じた”東京は、東洋のベニスだった”という記事を書きましたが、まさかその1年後に本当の”水の都”に自分がくるとはまったく予想していませんでした。
これも水の神様の計らいだったのかかもしれません。
水神様、有り難う…。
空港から、島へ向かうバスへ。
バスの前に体格のいいおじさんたちが3人いたので、スーツケースを乗っけてくれるなぁ~と思っていたら、自分でやってと素知らぬ顔…!
イタリア男って優しいんじぁないのぉ~、ケチ!!と思いながら、しぶしぶ自分たちでトランクへスーツケースをしまうことに…。
ローマ広場というロータリーになっている場所までしか車両は入れないので、あとは舟か徒歩。
貧乏旅行なので自分の足だけがたより(笑)
カーニバルの後の余韻が残る街を小さな橋を何個も渡り、寄り道をしながら、サンマルコ広場まで歩きました。
干潟を生かした要塞でもあったヴェネツィア。
水が近くにあるからでしょうか…、とても心が落ち着く場所でした。
次の日から、列車を乗り継ぐ旅。
旅を同行したYさんのお友達の住む、マントヴァという街へ。
中世の空気が漂うボルケットという小さな村や湖水地方でもあるマントヴァの名所ガルダ湖のあるシルミオーネを散策。
ホテルに荷物を置いて、夜の街へ。
少しずつ見えてくるドュオモの壮大さに押し倒されてしまいそうで…。
ここの素晴らしさは、筆舌に耐えがたく…、
あまりにも厳格で荘厳で言葉を失いました。
朝8時には、街中の教会の鐘が一斉に鳴り響く。
Yさんとは別行動で、一人、憧れのウフィツィ美術館へ。
西洋絵画の教科書、そのまんまの作品群が列挙する美の回廊をじっくり鑑賞。
"ローマ帝国から続く歴史をみたまえ"と言わんばかりの歴史的建造物の中で、愛でられてきた作品たち。
フランダースの犬の主人公ネロがルーベンスの絵の前でひざまづいたように、私もひざまずき、祈ってしまいそうになる気持ちをぐっと抑えて(笑)
でも、冗談ではなく!本当にネロのような気持ちになりました。
ルーブル美術館が、遥か彼方にかすんでしまうほど…、真の西洋絵画の殿堂はイタリアに在りと思いました。(ごめんよ、パリ…)
そして、石膏デッサンでいつもお世話になっていたメディチ家の方々が眠っているサン・ロレンツォ教会へ。
メディチ家がいなかったら、ダ・ウィンチもミケランジェロもルネッサンスの華を咲かすことができなかった…。
メディチ家の庇護があったことによって西洋絵画の新しい夜明けが生まれ、開花したのです。
教会内にも数々の作品がありました。
そこで静かに手を合わせました。
フェレンツェを後にし、ファッションウィークまじかのミラノへ。
イタリア最大の商業都市は、パリよりちょっと用心が必要な印象でした。
ちょっと気が抜けない場所…といった感じで。
スフォルツァ城を経由して、ゴシック建築の壮大な建築物のドゥオモへ。
中世、どれだけの戦いが繰り広げられていたのか…、そして、どれだけの祈りが捧げられたのかを古い壁に触れながら、思いを馳せました。
大陸ならではの歴史のはざまにある光と影を垣間見るような旅。
そして、”ローマを見ずして死ねるか”という新たな欲望を抱きながら、北イタリアを巡る旅は、幕を閉じました。