10月が終わる…。
怒涛のような2016年10月……。
おかげさまで、個展も無事、終わり、ちょっとだけの小休止。
いろいろな方々に観て頂き、個展をしている方も楽しめたように思う。
ご来場、頂いた方々には、心より感謝しています。
11月もいろんなことが待っている。
でも、その前に、少しこの月のまとめを記しておくことに…。
アルメニアへの旅の追記。
そこは、時間が止まってしまったような場所。
ドーム型の内部に入ると闇にすっぽりと覆われてしまう。
そして、高い位置に光取りの長方形の細長い穴から、光が差し込む。
その光は、いつの時代から神の光を人に感じさせていたのだろう。
私は、キリスト教徒ではないけれど、古い教会の作り上げた静謐さと素朴さに、心が落ち着き、ずっとそこに居たくなる場所もあった。
懐かしい闇だった。
そして、光だった。
純粋に闇や光を感じることが少ないこの文明社会の中で、このような場所に巡り合えるとは、ある意味、幸運だったように思う。
震災のあの夜の闇から、自分を取り巻く闇や光に敏感に反応するようになった。
震災後の街に、付け替えられたLEDライトの外灯のあまりの明るさに嫌気がさす時も多々ある中、本当の闇が、恋しくなるときもある。
そんな時に出会った光と闇の絶妙なバランスを持つ教会建築。
昔の人たちは、もっと光と闇に敏感であったのだろうと思いを馳せずにはいられなかった。
その感覚は、確固たる信仰、故のことなのだろう
私が訪れた12,13世紀に作られた教会には、そんな佇まいがあった。
夏から続いた、墨の砂漠を何度も往復したような日々・・・。
土壇場で、着地点を見つけた作品もある。
期限を決めると人というものは、何か大きな力を発揮する瞬間があるように思う。
有限の時間の中、生きているということは、そういうことの連続なのかもしれないが…。
自分でもよく乗り切ったと思う………。
まだまだ、墨の砂漠を行く旅は、つづく。