My Horizon

絵を描く日々や私の日常をつれづれなるままに、言葉と写真で紡ぎます。

Go to あんでるせん (下)〜ラッキー⭐︎メッセージ〜

長崎に着いた翌日、滞在先のホテルの窓をなにげなく見ていた友がある文字を見つけた。


"ラッキー"


駐車場の名前らしいのだがその文字が真正面にあることに気が付き「何かいいことがあるといいねぇ〜」とのんきに話していた。



長崎駅からシーサイドライナーという列車で四次元パーラーあんでるせんのある川棚町へ。乗った電車の床には無数のQRコードがびっしりデザインされており、モダンな内装の電車に乗っての移動となった。車内のおもてなしの精神と遊び心を感じながら車窓を眺めた。

なだらかな弧を描くように大村湾沿いを走り抜けるともうすぐ川棚駅。小さな街の無人駅に到着した。



駅から数分歩いた先に、その場所はあった。

赤いビニールテント状のかわいい看板をくぐり2階へ。今は亡きミュージシャンなどのおびただしいポスターが何やらあの世感スラ感じさせ、おもちゃ箱から飛び出てきたようなジャンクな物たちが色彩の渦を作り、四次元へ向かうトンネルのようにも感じられた。


店内に入るとさらなるカオスが…。
小さなジャングルのような木にはぬいぐるみたち。昭和の純喫茶のようなレトロな風合いも懐かしい。さらにおりがみ協会の会長でもあるマスターの作品が額装されて陳列されていたり、あんでるせんに来た有名人たちのポラロイド写真がびっちり壁に貼られていた。

政治家から、会社の社長・作家・俳優・歌手・タレント・アイドル・格闘家・四次元業界の有名人たちまで、ありとあらゆるジャンルの有名人たちが来店されていた。
仮面ライダーでおなじみの藤岡弘さんの写真が複数あったように思う。


私がちょっと印象深かったのがお手洗い。銀河の地図を正面に眺めながらのブルー・ラグーン?ブルー・アイランド?深海の中?それともあれは小さな宇宙空間だった?!と回想してみたり…。

もうすでにワクワク感が高まり、店内は熱気を帯びていた。

どうやら私たちは、最後に到着したようだった。
座る席を事前にマスターが決めているようで、カウンター席ならどの席でもかまわないと思っていたのだが、指定されたのはなんとマスターのガチ正面…!!
マスターに何もかも見透かされるような気がして気も引けたが、”わかりました"とこちらも腹をくくりマスターと対になって座った。

マスターから「今日のアシスタントになってね」と言われ、ただうなずくしかなかった……。

数字の書いてある番号札を渡されてお客さんたちはみんな一人一人自分の番号を割り当てられていた。その番号のカードをきって引く役目をたくされた。


お客さんたちが持っていた小銭や紙幣を集め、ヴェルヴェットの敷き詰められ平たい台に載せてゆく。その台には"Andersen"とさりげなくロゴが入っていた。

マスターはその中から硬貨を選んで自分の手のひらに置いた。


目の前で百円玉がきれいに3つに割れた…。そして、何事もなかったかのように元の百円玉に戻っていた…。
また、紙幣の中を五十円玉が横切るように貫通して通り抜けてゆくがお札はキズひとつない状態…。
さらにマスターのサインが入った千円札のはしっこお客さんがちぎったものが瞬時に店内の額縁の中に入る…。


目の前で起こっていることが、よく飲み込めないまま、ショーはたんたんと展開されゆく。




『まだまだ入り口かもよ〜〜、
出口はないかも?! 泊まってく??』

マスターの口から時折、発せられる決めゼリフに驚きと爆笑の渦が広がり、さらにヒートアップする店内。



マジックの王道でもあるトランプを使ったショーも展開。そんな中、自分が引いたカードと同じプリントの紙が自分の座った席の下から出てきてみたり…。
ジャニーズのアイドルグループのネタのマジックが出てきてみたり。
その場にいたお客さんになにかを書いてもらい、その書いたものを透視するようにピタリと当ててしまうという出し物もあったり…といった感じ。



度肝を抜いたのがルービックキューブを使ったショー。

マスターが自らの頭上でルービックキューブをそろえてしまうのは序の口で、呆気にとられる演目が目の前に現れては消えていった。

一人一人にルービックキューブが渡されて、それ自体にはなんの種も仕掛けもない(…と思われる)。めくるめく展開に店内は興奮のるつぼと化していた。


私は、なにがなんだかわからなくなって、周りでは絶叫したり大笑いが続いていたけれど、歓声を出すことすらできなくなってきて、目頭に熱いものがこみ上げてきてまう事態に…。

一体これは?!
何が起こっているのか・・・??
マジックという範囲をゆうに超えているような気がして仕方がなかった。



オーラスは、30名ほどのお客さんを巻き込んでのルービックキューブのアトラクション。

絶叫して、おおいに笑い倒して、ある意味、楽しくも激しい浄化感もともないながらの4時間のショーだった。




店内で繰り広げられたショーについて詳細に書こうと思えば書けるけれど、今からあんでるせんに行く方へフラットな気持ちで臨んで欲しいと思うので、ここらへんで筆を置きます✒︎✒︎✒︎



今回、私が最も印象に残ったのがマスターの冷徹な眼差しだった。
それは真っ正面に向かい合ってマスターを見つめている時に強く感じたことだった。


そして、長年、ほぼ毎日、これだけのクオリティーのショーを展開し続けていることへのモチベーションについて思いを巡らせてしまった。

このマスターのショーは、試行錯誤しながら自ら生み出した「行」のようなものでもあると思う。その行をコツコツ、長崎県の小さな街に暮らしながら密かに行い続けている。地道なものだが、壮大なものさえも感じさせるなにががあるように思えた。


観る人によって、感じ方はちがうことだろう。
単なるマジックだと言い切る人もいるとも思う。
それはそれでいいのだと思う。



マジックの領域で説明できるのかどうかは私には、正直わからない・・・。


科学的領域の中でやっと量子について気づき始めたこの世界。

もしもこの世界が限定せれていないと仮定するならば、今、科学的にわかっている領域というものは一部分でしかなく、人間の解き明かしている世界はほんの一握りでしかないのだとも言えるのではないだろうか。

私たちの知識では計り知れない可能性のようなものが、もっとこの世には”在る”という可能性を私はあんでるせんのマスターからメッセージとして受け取った。



『細胞で視る。』

と言ったマスターのひとことが忘れられない。




長崎市内に着き、ホテルへの帰り道。
パチンコ屋さんの大きな看板が目に飛び込んできた。そこには大きな文字がデカデカとひかっていた。


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