光る稲妻。
そこからしばし遅れて、空がひび割れるような音が鳴り響く。
雷雨が窓の外、降りしきる夕暮れ。
室内には、渡り鳥が海を渡る音楽。
水の気が部屋中を満たしてゆく。
2年前に行った個展で生まれた言葉。
その時にできた絵を削ったり、もっと加筆して、今度の搬入に持ってゆきたいと思っていた。
6月にまた巡ってきた展示。
天から降った雨粒が、地上に落ち、足もとに跳ね返る小さなしぶき。
無数の滴が水蒸気になって空間を満たす時、私たちは湿度というものを意識する。
湿度。
それは、亜熱帯地方でも在るものだが、日本特有の湿度というものがあるような気がする。
雨の中、歩いていると重い空気の中、薔薇の香りが漂ってきたり、ムッとした草や土の匂いが大地から立ち昇る時、自然の持つ野性みたいなものが、息を吹き返しているように感じる。
雨も悪くない…、
そう思えるようになったなぁ…。
梅雨入りし、
水の気を感じながら、
さぁ、再・搬入です。
また、荷物が重い…。
今夜も夜行で、行って参ります。