私も昔は一眼レフカメラで写真を撮っていた。
36枚撮りのフィルムに、気持ちが動いた瞬間を写真におさめていた。
あともうちょっとと思うところで、じっぃぃ〜〜とフィルムが巻き戻り、ため息をついた事が何度となくあった。
今は、フィルムカメラの時代とは違い、気軽に何百枚の写真を無制限に撮ることができる。
それを厳選するのも一苦労な感じもあったりする。
ふるいにかけてもかなりのボリュームになる。
何枚もの写真には、行った場所で吸い込んだ空気やそこで動いた気持ちが、風景の中、表情の中、封じ込められている。
まるで記憶の真空パック。
出来事がたくさん詰まっている。
出来事と言えば、フランスで起こったエピソードから、地下鉄の切符カルネをコラージュした作品を作った。
フランスの地下鉄。
乗り換え駅の長い通路を歩っていた時に、駅員によるチケットの抜き打ちチェックが行われていた。
チケットを見せると怪訝な顔で、「Chinese?」と言われ「No,Japanese!」と言い返す。
「このチケットは間違っているから罰金をもらう」と言われた。
チケットを買う時、操作を誤って、子供料金の回数券を買ってしまっていたのだった・・・。
払い戻しがしたい!と言っても首を左右に振り、まったく取り合ってくれない。
泣く泣く罰金€35(¥4,500ほど)を支払った。
それでも腑に落ちない気持ちだったので、ダメ元で駅窓口のお姉さんに”払い戻しがしたい”と言ってみたが"フランス語でないとわからない"とまったく取り合ってもらえなかった。
あとから聞いた話だが、払い戻すには郊外まで出向かなくてはならないらしい・・・。
日本基準なら起こりえないこと・・・。
なにか起こっても間違えたあなたの責任でしょ!というのが前提のヨーロッパ。
個人主義と自己責任は表裏一体なのだ。
出来上がった凱旋門。
それはまるで、夢の跡。
宙色Japanのメンバーの生き生きした表情が風景と共に散りばめられていた。
ひとつ大きい山を登りきった。
そして、また、ひとりに戻る。
いろんな課題が山積している。
けれど、あせらず、腰を据えて、一つ一つ、
自分のペースで取り組んでゆこうを思っています。
第二回宙色Japan海外遠征の流れを見守って頂き、有り難うございました。