まぁ、よく降るもんだ。
こんなにも長い間…。
夏の一か月間がこんなにも長く感じるのは、初めてじゃないだろうか?
お天気や気圧に左右されやすい私。
なにをやってもパッとしない感じで…
さすがにこの長雨中は、
こころも湿りがちだった。
なかなか乾かない洗濯物みたいに… 。
細々したことに追われ、
とりたてて出かけることもなかった夏。
なんとなくつけたラジオのインタビュー。
毎日、聴いているNHK-第1のすっぴんのアンコールインタビュー。
漫画家の田中 圭一さん。
自らがうつ病になり、その状態とどう付き合ってきたかを語っていた。
B.G.Mがわりに聞いていたのだが、いつの間にか集中していた。
誰の心にも潜む因子。
鬱は、心の風邪ではなく、
心のガンだという話。
なんとなく共感している自分がいた。
成功の後に襲ってくる不安…。
心は、いつも水モノで、
躁と鬱は、背中合わせなんだと。
早速、電話急げじゃないけれど、田中さんの本をアマゾンへGOで、古本ゲット!
筋肉少女帯の大槻 ケンヂさん、仙台在住の小説家熊谷 達也さん、ゲームクリエイター、編集者、精神科医…。
いろんなジャンルの鬱体験が描かれている。
久々に読んだマンガ。
こんなにも重い内容なのに、漫画にすることで中和されていく。
やっぱり、マンガってすごいなぁ
面白くって、一気に読んだ。
田中さんは、ギャグマンガの作家さんだったのだが、ギャグマンガの衰退から、新しい自分の進路を模索していた。
過去を振り返り、漫画の古典を分析してみると、キャラクターのひな型がある人に辿り着くことに気がついた。
そう、漫画の神様である手塚 治虫さんである。
手塚 治虫さんの絵を完全に模写し尽くし、尊敬の念を込めながらも、キャラクターを作り込んでいる。
なんだか懐かしくって、いろんなマンガの主人公が浮かんだ。
ブラックジャックのパロディーなんかもあって笑えた。
ポジティブシンキングも大事だけれど、ネガティブな感覚と相まって、こころは、バランスが取れているのだと感じる。問題はバランスなのでないだろうか?
がんばりすぎないこと…ってことも…ね。
誰にでもアルアル的な鬱のきっかけとそこから抜け出した経験談は人それぞれ…。
心っていうものは、カラクリがある。
何度も読んでしまいそうな一冊。
とそんな中、
探し物をするため、押入れ開ける機会があった。
そこはいつだって、私のタイムマシン。
そして、たくさん愛情が眠っている場所。
愛情の電池切れの時は、昔のアルバムを開いたり、もらった手紙を読んで、間接的に人の愛情に触れる。
そして、自分がやってきたことを辿ってみる。そして、過去の自分の作った言葉や絵に会いに行く。
( アンディ・ウォールの絵を模写していた16歳。じいちゃん褒めてくれたっけなぁ。今だにバイクの免許がとりなくなる。)
思いつくまま、描いていたころの楽しさが蘇ってくる。
”あぁ、たのしい”
最近、忘れていた気持ちだなぁ…。
忘れちゃいけない気持ちなんだなぁ。
そして、1つのメッセージが私に届いた。
ワープロの感熱紙を使った実験に凝っていた10数年前…。
それをなんとなく見返したら、ところどころ文字が見える。
スタンドの光にかざして見たら、まだ、ハッキリと読める文。
手探りで絵や音や言葉で、何かをカタチ作ろうとけなげにいろんなことをしていた過去の自分が、愛おしくなった。
自分よしよしのインナートリップ。
明日からは、9月。
お日様さんさん、残暑を頼むよ。