時々、人当たりする事がある。
いつも人に囲まれ続けていると、
ひどく、とても疲れてしまう…。
一人になりたくて、
静かな時間が欲しくて、
近くの公園に駆け込んだり、
時には、身体の調子が悪くなり、
ベッドの中、深く潜り込むんでしまう時もある。
一人きりの時間が私にはご馳走のように思える。
静寂。
自分の内部をとらえる時間。
自分を肥やす時間。
一人でいる事、
それは、孤独なことだけど、
至福の時間でもある。
そんなことを考えていたら、昔、観た映画の中、流れていた曲を思い出した。
映画『DIVA』
録音した肉声を封じ込めることを嫌うオペラ歌手とその歌手に恋い焦がれる青年。
コンサート会場に持ち込んだ青年のバイオリンケースの中には、精巧に仕掛けられた録音機が…。
パリを舞台に、盗聴ととある事件が絡まり合うラブ・サスペンス。
十代の頃、原作が面白くて一気に徹夜して読んでしまった記憶がある。
この映画を撮ったジャン=ジャック・べネックス。
彼は、後に女性達の熱烈な支持を受けた映画『ベティー・ブルー』を撮った監督でもある。
男と女のパッション(情熱/受難)を鮮烈に描いた問題作。
アムールの国、フランスらしい作品でもある。
この映画も何回、観たことか…。
ベティーの相手役を演じたジャン=ユーグ・アングラードにも恋をしてたっけ…。
べネックス監督の作品の特徴、それは、ブルーを基調にした色調と抜群の構図の美しさがとても冴えていて、音楽もなかなかよかった。
この映画『DIVA』の中、象徴的に使われている『センチメンタル・ウォーク』、これも繰り返し聴いた曲。
映画の予告編を観ていたら、なんだか懐かしくなった。
ブルーに染まる夜明けの街の空気。
地下鉄のどこまでも続く白いタイル。
グリーンの車体の古い電車の手動式の鍵を勢いよくガシャンッと開けた時の小気味良い音とちょっとした喜びが自分の中にも蘇ってくる。
また、2月が近づいているからかなぁ…、
無性にパリに行きたい…。