My Horizon

絵を描く日々や私の日常をつれづれなるままに、言葉と写真で紡ぎます。

日常地平線 2017.12.26

今年も暮れようとしている。

来年1月の展示があるせいか、なんとなくその実感が持てないでいまま年末を過ごしています。


今年もよく動いていたということと、出会いの多い一年だったように思います。

古くからの友達や新しい友達ともよく語り合いました。

今までだったら、頭ごなしに否定していたことも、”違う”という前提に立って、その人の話をじっくりと聞いていることが多かった。

そして、学ぶことも多かった。

その人なりに、悩みながら手探りに自分の表現を探しているんだって…。

自分より若い人たちの真剣なまなざしに出会うだびに、自分の姿勢や遠い記憶に触れられるような気がしました。
それはただ、自分が年を重ねたってことでもあるんだけど…(笑)
でも、それ以上に得られることも多かった。


真剣なまなざしには、うそがない。

上手く言葉で伝えられない分だけ、瞳の奥で語られるまっすぐな想いに胸を打たれたこともありました。

忙しさが一段落して気がついたこと。


車で用をたしていた何気ない夕暮れ時…。
旬の野菜を見つけて、お漬物にしたり、部屋の掃除をしたり、普通の生活が私の日常を支えているのだと改めて実感したのを覚えている。

そんなささやかな日常があってこそ作品が生まれてくるのだと…。

ただ忙しくしている中からは、何も生まれてこない……ということもよくわかった。



宙色ジャパンのオープンアトリエがありました。
各々の作家さんたちが黙々と作業する。
墨を磨る音が響くような、静けさでしたが、楽しいひと時でした。



私は、関西の美術家の浮田 要三さんの言葉を思い出し書いてみました。

とても無垢な抽象画を描いていた浮田さん。
彼が紡ぎだす言葉も好きでノートにも記してあります。


[浮田 要三の仕事]

人とは何か、自分とは何かを考えることが人間の仕事。
絵描きではなく、人間ということから出発する。
うそがないこと。
大事なのは・・・・真実。
心をきれいにして作品に向かうこと。
日頃から感性を磨くこと。
生活を大切にすること。
行為すること。
こういうことをしていたら平和になる。




文章を改めて書き出してみるとその人の何かに触れる時がある。

混沌とした私の心に清らかな水のように言葉がすっと沁みてゆくようだった…。


自分を省みたり、いろんなことがあったけど、くじけずに前を向くことだけはしてゆきたいと思って、自分を試すように新しいこともしてきました。

けれど、がむしゃらに頑張ることは、もう卒業したいと思っています。

腰をすえて、日常にある地平線を見つめ、感じてゆければと思っています。

そして、もっと愉しさを感じたいというか…、描く事を味わいたいと…。



今年一年、有り難うございました。

そして、みなさまにとって2018年が健やかな年で、ありますように・・・。
どうぞよいお年をお迎えください。

髙橋 典子