8月に入った途端、この灼熱の太陽。
7月の長雨のどんよりとした曇り空に、熟したオレンジをテニスラケットで空めがけ思いっきり打ち込んで、天高く舞い上がったオレンジが、頭上で思いっきり弾け、そのフレッシュな果実の色彩がほとばしるように空一面に広がった。
そんな感じで、始まったピーカンの8月1日。
ちょっと遅れた真夏の始まりだった。
6月に壊れたパソコン。
今の生活になくてはならない必需品。
さて、次はどのパソコンを買おうか?とインターネットで探し見比べ、”初めての○○"みたいな本まで買って、悩みに悩んだ。
ちょっと高くても自分の心が本当に望むものを買おう!!
といざ、ヨドバシカメラへ向かった。
そして長年の夢だったアダムとイブがかじった誘惑の果実のマークの最新モデルを思い切って購入した。
いつも兄のお古のパソコンを譲り受けるのが通例だったし、ずっとウィンドウズでやってきたのに、操作の違うものに今更、慣れなきゃいけなという多少の不便さもあるにはあるけれど、iPhoneと連携させるにも便利かと思い買ってしまった。
指紋認証の後、開けてすぐ、壁紙のデビッド・ボウイが招き入れてくれる未知なる誘惑の世界とはどんなものだろう。
そんな中、手元のiPhoneがスパムされた。
妙なパソコンのウィルスが撒き散らされていると知ってはいたけれど、まさか自分に来るとは思ってもみなかった。
フェイスブック系列のメッセンジャーというメール機能のアプリに見覚えのないメールが届き、そこから自動的に相手先にYouTubeの動画が送られたようだ。
送られてしまった人、ごめんなさい・・・
m(_ _)m
いろんな人たちからの大丈夫?!というメッセージが届いて、スパムされたことに気が付いた。
よりによって、お盆の一番忙しいこのタイミングめがけ来なくても・・・と疲れがドッと出てきたが、数時間掛けて、お詫びメッセージと返信に追われ日が暮れた。
なんで?が拭い去れなかった….。
でも、久々に遠く離れた国の友からも連絡がきて、電話で話したりもできたから、まぁ、それはそれで良いこともあった。
果実、目がけて飛び回る厄介な害虫みたいなコンピューターウィルス。
誘惑の中の落とし穴を作っては、面白がる輩がいるみたいだね。
果実ではないけど、野菜に割り箸で足を作って、牛や馬を模して、先祖をお迎えした。
それが思った以上に可愛らしくて仕方なくなって、お役目が済んでからも台所に飾って眺めた。
茄子のヘタが顔に見えてきて、日に日に乾燥していくその姿に刻まれてゆく、しわのような筋がなんとも言えない味わいを醸し出している。
制作も灼熱の二階でしている。
本当の灼熱。
油絵の具の匂いが充満した狭い部屋にずっと居るとめまいがしてくるが、それもまた楽し。
クラクラした中で描くのも絵の醍醐味。
白衣も手も油でドロドロ。
灼熱の油地獄のようなアトリエには誰も入れないでしょうし、自分以外の人は入れません。
鶴の恩返しを決め込んで、扉を閉めてたままで。
しかしながら、最近では、同時進行で和紙の作品も制作していて、とうとう台所でも制作が始まってしまった。とにかくスペースが足りない…。
そこで制作していたら、他のものにも描きたくなったきてしまって、溢れ出るがままに、深夜、スマホケース用と手帳を塗りたくってしまう始末。衝動に継ぐ衝動、押さえきれません・・・。
それは、生きる欲求そのもの。
芸術の果実をかじった者は、最後までその果実の虜になり、生涯、その実を頬張り続けてしまうのでしょう。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•
プリンスばりの歌声が鼓膜をズキュンと打ち抜いた。
ほとばしる才能。
黒い貴公子
moses sumney