My Horizon

絵を描く日々や私の日常をつれづれなるままに、言葉と写真で紡ぎます。

カミングアウトのような休止符

お元気ですか?

ご無沙汰しています。

 

今日はお伝えしたい事があり久々にブログ更新です。

 

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2004年から始めてきた個展活動。

一年おきにやってきた初めの10年間。

 

2012年を機に、個展、グループ展、公募展、公開制作、海外遠征等・・等々、

縁あってさまざまなな場所や地域で行わせていただきました。

このブログを始めた2016年は特に恵まれた一年でもありました。

怒涛のようにパリ、アルメニア、仙台とグループ展や個展、新聞の連載などをこなしながら、駆け抜けた記憶をひたすらこのブログに綴ってきたことも懐かしく思い出されます。

しかしながら、2017年頃からかなぁ…、

少しづつ、なにか根本に立ち返ってインプットしてみた方がいいんじゃないかとと感じ始めたのは…。

それでもお声がけしていただいた展覧会は、積極的に参加してきました。

そして、父親の終末期と個展準備とアルバイトに追われた2年間。

2020年の年末まで、ダ〜〜ッと走り抜けた感じでもありました。

 

美術でも様々な世界があって、いろんな場所や美術に関わる人たちとの出会いがありました。

この10年を振り返ってみても本当にいろんなことがあって、一言では言い表せないほど悲喜交々の出来事がありました…。

 

2021年や今年初めにも表立った活動があって、普段はご縁の無いような場所で開催された展覧会にも参加できる機会をいただくことができました。

 

出会いにも恵まれて、さまざまな方々から支えられて活動できたように思います。

今、振り返っても有り難いという気持ちで一杯です。

 

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去年、右手を痛めひどい腱鞘炎になってしまいました。

 

肝心要の右手。

 

なにをするにも利き手だけに、いろいろと苦労しました。

ペンが持てない

車の運転

鍵を回す時にもかなり痛んだり

包丁も使えず、キッチンバサミや切らずに何とかするとか、工夫しながら何とか日常生活を営んできました。

 

だいぶ良くなってきたのですが、絵筆を握るにはまだまだ時間が必要に思います。

 

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去年、ブログでも書きましたが、展覧会が一つ中止になり、もう一つの展覧会も延期になりました。

 

そして、去年は私にとって芸術の恩人のような人が、立て続けにこの世を去りました…。あまりに突然過ぎて、言葉も出ないほど衝撃を受けました。

 

 

2002年から絵を本格的に学び始め、2004年から個展活動を開始。

2011年の震災後から、絵の教室から自立して活動を始めたことも私の中で大きなことでした。

 

自分の展覧会以外は、絵の師でもある先生には、ほとんど会うこともなく、すべて自分の責任で決めてきた10年間でもありました。

 

思い返せば、引きこもりの10代で独学で始めた絵を描く行為。

もともと人に習うことに抵抗があった20代。

しかし、少し手解きを受けないと乗り越えられない壁があるように思えて、ある方のアトリエを訪れたことをきっかけに、出入りを始めた絵の教室。

30代でのめり込んでいった美術の世界。

そして、美術三昧の日々の40代を過ごしました。

 

美術の世界でも公募展など、競い合うような展覧会もありますが、なるべくそういう場は避け、自由な展覧会を選んで参加してきました。

そして、いわゆる固定した団体と呼ばれるグループ的なものにも参加しないできたのも、そういったものに疑問を感じていたからでもありました。

 

私は、小さな頃から、競争が苦手でした。

そして、群れることも苦手。

できればそう言ったのもをあえて避けて、”もっと自分なりに独創的に生きることはできないものか?”といつも試行錯誤してきたように思います。

 

しかし、どこまで行ってもピラミッド型の世界が目の前にあり、避けて通っていたつもりでも、気がつけば、この10年、そういった世界に絡め取られていた部分もあったのだと思います。少なからず影響を受けていたのだと。

 

心の中で”立ち止まってみたら?”という声を聴いていながら、活動を続けることから降りられなくなっていた自分がいました。

 

そんな気持ちに気付き、感じ始めた振り払えない心の虚しさ…。枯渇している自分…。

 

右手が利かなくなって、考える時間ができた時、さまざまな気持ちが浮上してきました。

ただ突き進むことに意味を見出せなくなったと感じている自分に気がつきました。

 

いつの間にか”作家や画家”と呼ばれるようになって、

いつの間にかその”肩書き”という衣を背負っている自分を感じていました。

それは、次第に湿度を含み余計な欲をはらんで、重たくなってゆくのを感じていました。そして、こうではなくてはならないと自分自身をその型にはめるようにいつの間にかなっていったように思うのです。

 

 

去年、芸術に関わる恩人が亡くなって、その生き方を振り返った時、その後ろ姿が何度も思い起こされました。

 

その人達と自分は、まったく違った人間だけれど、なにか受け継いできている要素があるように思います。

そんな中で浮かんできた言葉、

謙虚さ

誠実さ

正直さ

真善美

 

なんの肩書きもなく、なにものかになろうとしないと思った時、そのまんま存在している自分でも、それだけでも十分だと思う気持ちに立ち返ってみることが、やっとできたのかもしれない。

フラットな地平に辿り着いたという見かたもできるかもしれません。

 

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しばらくの間、絵の活動をお休みしたいと思います。

今年7月に予定していた個展も中止にすることにしました。

 

 

タイミングが合って、自分が心からやってみたいと思う時が来たら、自然とその中で動き出す時が来るまで、待ってみようと思っています。

 

それが小休止になるのか、長いお休みになるのかはまったくわかりませんが・・・。

自分のフィーリングを大事にしながら、ゆっくりのんびりマイペースに過ごしてゆきたいと思っています。

 

このような心境に行き着いた私ですが、

今後もよろしくお願い致します。

 

 

 

今の私に寄り添ってくれるような大切な曲。

Tokyo blue weeps

『Ascending Light』

https://youtu.be/LPlhnqXLiS4