My Horizon

絵を描く日々や私の日常をつれづれなるままに、言葉と写真で紡ぎます。

真夜中のアンパンマンのマーチ

役所に用事があって、行った時、机のわきにマグネットで無造作に横向きに貼られていた小さなポスターがあった。


人権を守るキャラクター。



こういうものに国は、お金を使っているんだなぁと思ってよく見たら、やなせたかしのサインが。


やなせたかし

アンパンマンの生みの親であり、「いつもこころに太陽を」などの歌詞なども手掛けている詩人・デザイナー・漫画家。


アンパンマンのマーチは知っていたけど、本当にあの唄を知ったのは、震災後のことだった。

余震や停電の続く中、何もする気になれず、ラジオを聴いていた時、誰かのリクエストでその曲は、かかった。



そうだ うれしいんだ 生きる喜び
たとえ 胸の傷がいたんでんも

なんのために生まれて なにをして生きるのか
こたえられないなんて そんなのはいやだ

今を生きることで 熱いこころ 燃える
だから 君は 行くんだ ほほえんで

そうだ うれしいんだ 生きる喜び
たとえ 胸の傷がいたんでんも
あぁ アンパンマン やさしい君は
いけ! みんなの夢 まもるため

なにが君のしあわせ なにをしてよろこぶ
わからないままおわる そんなのはいやだ

忘れないで夢を こぼさないで涙
だから 君は飛ぶんだ どこまでも

そうだ おそれないで みんなのために
愛と勇気だけが 友達さ
あぁ アンパンマン やさしい君は
いけ みんなの夢 守るため

時は はやく すぎる
光る 星は 消える
だから 君は行くんだ ほほえんで

そうだ うれしいんだ 生きる喜び
たとえ どんな敵が 相手でも
あぁ アンパンマン やさしい君は
いけ みんなの夢 まもるため



今まで緊張していた糸がぷつっと切れたかのように、ホッとして、あったかいものがこみ上げ、涙がとまらなくなった。
自分でも、とてもびっくりしたのを覚えている。

この曲は、人を励ます唄であるけれど、その反面、深い影があるように感じられた。


後から知ったことだったが、アンパンマンのモデルになったのが、特攻隊で戦死したやなせさんの弟さんであったそうだ。きっといろんな意味合いを込めて作られたのだろう。





時代の風がまるで”時代錯誤”の風を身にまといはじめた。




この世界を遠い空の向こうから、やなせたかしさんは、どんな気持ちで見ているのだろうか。


アンパンマンのマーチが、頭の奥で鳴り響く、
真夜中の深淵な闇の向こうから、聞こえてくる。


小さな子供たちがすぐに覚えてしまう、まんまるお顔のキャラクター。
いつもお騒がせのバイキンマンともケンカしながらも、なんとか工夫して、付き合っている。
自分の中にも、アンパンマンバイキンマンがいるけど、なんとか折り合いをつけて日々、暮らしているんだ。


どんな世界になったとしても

創造の中、わたしは生きるよ
夢と一緒にわたしは生きてゆくよ

ずっとなり響いて…、
真夜中のアンパンマンのマーチ