初めての時差ボケを体験している。
ひとりぽつねんと異国の夜の荒野に投げたされたような、とても心細い気持ちで、数日間、真夜中を過ごしていた。
眠れずに迎えたホテルの窓越しの朝日に少し元気をもらっていた。
パリに来る前は、日本食やバスタブが絶対、恋しくなるだろうと思って、心配していた。
しかし、ここ数日、それがまったくないことに気がついた。
街を歩いていてもなぜか感じるのは、言葉は違えども日本の街を歩いている感覚とさほど違いがないということだった。
もっと違和感とか、圧倒されるのかとも思ったけれど、想像していたほどではなかった。
東京の街を歩いている感じにも似ていて、違和感もなく、フツーに歩ける。
これは、滞在しているメンバー共通の感想のようだ。
私が滞在しているパリ10区、北駅前。移民の多い地区で、ちょっと下町の雰囲気に近い。
ギャラリーとホテルを歩いて往復している。
仕事7割、観光3割?
そんな感じだろうか。
フランスの独自の自由さ、ユルさを感じながらも、緊張感も保ちつつ、残り少ない滞在を大切にしたいと思う。