単純作業だけれど、なんだか妙に、神妙になり、まるで、写経しているような気分になった。
今、書ギャラリー親かめ子かめで開催されています宙色Japan壮行展に、墨を使った新作も展示されています。
「日常地平線」というシリーズの墨バージョンです。
この壮行展では、この作品のほか、私の大切な作品も展示されています。
2014年に描いた作品「空に星がにじむ夜」。
2011年の大震災の夜、避難場に向かう道すがら、偶然、見上げた空には、無数の星が輝いていた。不安でいっぱいだったことも一瞬、忘れてしまうほどの美しい星空…。
その後、生活が落ち着いてきた頃から、あの星空を描きたいという思いがずっとあった…。何度も試作したけれど、2012年、自分が体験した大震災のドキュメントのような個展には、間に合わずに終わった。
それから、間もなく、みじかな人がこの世から旅だった…。
亡くなった人は、星になるという話を耳にした時、また、この絵の構想が頭の中に蘇ってきました…。
もう一度やってみよう…。
そう思い立ち、アクリル絵具を使い、画用紙に色を重ねた。
青、白、灰色、藍色、レモン色…。
色を交互に透明な幾層にも渡る色を重ねた星空が出来上がった…。
あの日、多くの人々が星という御霊となった夜への鎮魂歌。
そして、一生に一度の星空の記憶。
個展をした2会場で、多くの方々に観て頂いた、反響の大きかった作品でもありました。
そして、他の国の人たちは、この絵をどう感じるのか、聞いてみたいとずっと心の中で、思っていました。
そして、縁あって、今回の宙色Japanに参加することによって、願いが叶うことになるとは…。
めぐるえにしに導かられながら、自然な流れに身をまかせてみようかと思っています。
宙色Japan壮行展は、1/31(日)5時迄となります。
よろしかったら、どうぞお越しください。