なんて扱いずらいんだ…
まったく手に負えないよ…。
それが、去年から、改めて、墨を使い始めて、もった印象だった。
油絵ばかり描いていたから、余計にそう思ったのかも知れない…。
来月の墨の展覧会の作品作りに追われている。
墨を画材として、部分的に使うことはあっても、メインにした作品は、ほんの数枚しかなかった…。
始めは、和紙の判紙で、なにも考えないで、書いた。いや、描いていた。
文字などを書く気はないので、クロッキーの裸婦などをベースに勢いにまかせ、描いていた。
気・気迫・勢い・一期一会…
頭の中、様々な単語が、浮かんできた。
正直、おもしろかった。
けれど作品作りとなると、散々、書いてもまったく、わからなかった…。
私が墨象のまねごとみたいなことを書いてもたかが知れてる…。
どうしようか…
悩んだ末に、結局、自分が使い慣れている画用紙に戻った。
なんだか妙にホッとした。
いつも通り行う作業。画材が墨になったそれのだけのことだと。私は私にできる墨の絵を描けばいいんだとそう思えてきた。以前より、あまり気負わなくなってきたように思う。
少し光が見え始めたような気がする。
墨の持つ特徴を少しでも活かせるように努めたい。
自力と他力(水の力)の間で、製作している。水彩ともまた、違った感覚。
まさに、東洋の神秘のような感じなんだろう。
どんな作品がてきるかは、まだ、私も知らない……。