その人は、いつも私の個展を観て、アドバイスをくれ、励まし、勇気づけてくれた。
貴女は、
London、Paris、New York…
海外へドンドン行きなさい!
といつも言ってくれていた…。
この中の一つの国へ行くことができたことを伝えると目を細め、うなずいてくれた。
いつもは、しないようなドレッシーな格好をして、もじもじしている私に、その格好、いいよ!とってもいいと褒めてくれた…。
恥ずかしかったけど、嬉しくもあった…。
英国生まれのその人が、私の知らない間に、この世から旅立ってしまった…
天国から見守っていてくれる人がいる。
もう会えない人達だけど…。
ピンポイントで、メッセージを伝えに来る時がある。
夢を通じて…
出来事を通して…
そして、蝶々になって伝えに来てくれる時がある。
いつも自転車で急いで駅に向かう道。
いつの間にか折りたたみの傘を失くしてしまった…。
それは、母親の形見の傘だった。
雨の季節が近づいているというのに…。
その傘とも縁が途切れたのかと、あきらめていた…。
それから、だいぶたったある日、いつもは自転車で行く駅までの道をなんとなく歩きたくなった。歩いていると、ふと、あるお店の角に目に入るものがあった。
形見の折りたたみの傘が白い壁に立て掛けてあった…。
お店の方に断って、その傘を大事に抱えて、急いで駅へと向かった…。
やけに一人ぼっちでを感じて苦しかった時に…
こんな事って、あるんだなぁ…。
見守っているよというサインなんだって…。
そして、時々、しょんぼりしているとモンシロチョウやアゲハチョウが私の周りで長い間、旋回している時がある。
あの世とこの世を繋ぐシンボルがあると、私は、そう信じている。