ふと気がつけばいつも海の近くの街に住んでいた。
今も車を走らせればすぐに広がる太平洋の海。
青い空と青い海の境界線を見つめては、遠い世界がその向こうに続いているという不思議さにいつも憧れを持ちながら水平線を見つめていた。
その風景を描きたいと思う気持ちは絵を描く前からずっとあった。
よく写真に撮っては、その不思議さを眺めていたこともある。
そして、水平線を描きたいという欲求が高まり、紙の上、描き始めた。
小さい頃から釣りっこのお供で通った閖上や仙台港。
鳳凰や龍の形をした遊覧船に乗って何度も渡った塩釜から松島までの観光コース。
もう行けなくなった松川浦。
小さい頃から通った地元の海の移り変わりを見てきた。
身近な海との思い出は尽きることがない。
そして、大人になって旅するようになってから見た北方や南方の海。
一人、早朝の太平洋フェリーの船上から波飛沫を受けながら、ツルツルと滑る床にしゃがみ込んで、感嘆の声をあげて眺めた大海の巨大な朝日。
飛行機から見た大陸の地図のような陸と海との連なり。
機上からは想像しかできないけれど、言葉や習慣こそ違う、そこで暮らす人たちのささやかな生活を想像してみたりしていた。
振り返えってみると私の暮らしのそばには、いつも海があった。
去年から海の近くに滞在したり、旅をしたりしていて、なんとなくいつも水の気配を感じながら過ごしてきたように思う。そのことをとても強く意識させられた年でもあった。
去年から続く海や山や島を巡る旅をまとめたくなってきました。
去年から下書きに書きっぱなしにして仕舞っておいたものを連投してゆきたいと思います。
よかったら読んでみてください。