新春初めの展覧会。
4コマ漫画3,000回という珍しい展覧会へと足を運んで来た。
いつもお世話になっているギャラリー親かめ子かめのスタッフでもあるオカベ サトシさんの展覧会。
2010年から書き始めたものから最新作までの 4コマ漫画の原画がカーキー色のファイルの中にびっしり収められていた。
その膨大な量に日々の蓄積がいくつもの層になっているようだった。
メインキャラクターオカブーの描き始めの頃は、心もとないおぼつかない線の動きにハラハラしながらも健気に奮闘している姿に、初々しくしさを感じながらページをめくっていった。
やがて3年の時が経過すると現在のオカブーの形に近いなだらかな輪郭線がキャラクターの形として表れ始め、少しづつ、現在のキャラクターへと変化してゆく過程のようなものを観察しながら、独特の 4コマ漫画の世界に浸ってきた。
石の上にも3年なのかと…、昔のことわざのフレーズが浮かんできた。
続けることの大切さみたいなことを感じさせてくれる稀有な展覧会だった。
NORI COLUMN
「オカブーとオカベさん」
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今年の始めにメールが届いて、ブログを始めてから3年が経過したとのお知らせを受け取りとった。
自分でも、気にも止めていなかったので、そうなんだぁ…と。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
机の前で、個展前後に、旅先のベッドに潜り込んで、いろんなシチュエーションの中、書いてきました。
この回と合わせて、あと3本書けば、100話にもなるみたいです…。
でも、だからと言って、気負うことなく淡々と自分の日々のあれやこれを綴って行ければと思っています。
本を読むことと書くことが、娯楽のような、時にはちょっとした快楽なのではないかと思う事があります。
活字中毒…なのです。
それが高じてか書店で勤務していたこともあります。
活字を読むことが好きで、本を持っていないことに気がつき、コンビ二でとりあえず新聞を買って読んでいたこともあります(笑)
知らず知らずのうちに文字を目で追っている自分。そのこもが安らぎや心の安定にも繋がっているのかと思う。
最近、私の中で、ホームランを打った方がいます。
竹村 真一さん。
評論家の竹村 健一さんの息子さんでもある人類学者。
その方の文章ときたら、まったくもって、素敵でたまりません…!
実際にお会いし、お話を聞いて、握手までしてもらい、彼の話している事柄が知りたくて疼き始め、ネットで本を買い、2冊目を読み終えるところです。
これがなかなかいいのです。
難しいことも様々な比喩を通して、文献を通し読み解いてゆくようなところがあり、少々、専門的で難しいところもあるけれど、その流れるような文体によって、味わうことができる。
言い回しや比喩の仕方がなんとも詩的で、美しくエレガントで、洗練されていて…、うっとり。
坂本龍一との共著もなかなか奥深く、何度も読み返してしまいそう…。
竹村さんの本「宇宙樹」を読んでいて、自分の中でおぼろげに感じていたことが化学反応を起こし、融合して行くのではないかと感じ、その勢いのまま、次の絵の主題がなんとなく定ってきた感じがしています。
そのイメージをカタチにして行く作業のため、パネルの水張りとスケッチも重ねて、身体の中にカタチを叩き込んで行く作業。
次に生れ出てくる色やカタチは、どんなものなのだろう…かと思いつつ。
でもやっぱり不安がど〜〜んと幅をきかせてくる時もあったり、モチベーションがまったく上がらない日もある。
そんな時、20年前に読んだ美術家の篠田 桃紅さんの一言を思い出している。
「ダメな日はダメなものを描けばいいのよ」
開き直ったその言葉に清々しさすら感じる。
そして、何もできなかったことよりも小さいことでもできたことを見つけて自分をねぎらうことを心がけたいとおもう。
カタチが、紙の中、実りるように…!
今年も相変わらずジタバタしながら行く感じです。でも、毎日を大事にとも思う…。
ということで、
今年もどうぞよろしくお願いします!