8月中ばから、現れた現実の中で、自分が出来ることを、ただ目の前で起こることに向き合ってきた。
生きてるって、味わい尽くすしかないってことに改めた気がつき、それらを飲み干すように味わう。
絵を描けなくなるかも…という淵にまで、想像力は及び、ちょっと精神的に自分を追い詰めていた…。
そんな時、いつも行くお店のカウンターの端にある小さな絵を観ながら、一人夕飯を食べた。
その絵は何も語らない…。
私は、ご飯を食べながら、ただ見つめいた。
けれど、その絵がそこにあるというだけで、充分、自分の慰めになってくれていた。
そのあと、電車に乗り込み、メールをチェックしていると1通のメッセージがあった。知り合いの画家の人からのものだった。
落ち込んだ私の気持ちを掬い上げてくれるような内容だった。
絵の仕事は、競争ではない。
続けて行く先にその人の仕事があると…。
長年、絵を描いてきた先輩からの有難い言葉に、胸がキュッとなる…。
来月行われる展覧会。
それは、壮大な芸術祭でもある。
神の計らいごとのようにタイミングが、ピタリ、ピタリと重なり、まだ見たことのない絵のパズルが着々と出来上がってきているように思う。地上と天上とのやりとりを感じながら、展覧会をカタチにするために、メンバー一人一人が、切磋琢磨している。
芸術の神様は、いる。
周りにいる人達や見えないものに助けてもらいながら、私は、描く。
今しか描けないものを…。