平昌冬季オリンピックまであと5日。
連日のニュースのトップを飾っている。
冬季オリンピック好きの私にとって観たい種目が目白押し…。
だけど、今年はあまり観れそうにない。
オリンピックの現地入りした選手たちを見ていると、
どうしても重ねてしまう、自分たちのことを…。
今夜、宙色Japan先発隊が仙台を発つ。
遂にきたかこの時が…!と身内を案じるような気持ち…。
私までドキドキしてしまう。
ミーティングを重ね、共に製作しながら、試行錯誤を繰り返してきた。
個展中心に、個人行動が多い私にとって、そこは、学びの場だった。
2度目の渡航ということで、なじんだ作家仲間たちといることはとても楽しく、和気あいあいとしていて居心地もいい。
けれど製作となると正直、そうそう甘くはなかった…。
異ジャンルの作家たちと共に製作したり、話をすることで自分の立ち位置や役割、そして、製作に関してもとてもよい励みとなった。
それはたぶん”SUMI”というお題に対して、悪戦苦闘しながらも、墨というものにどう向き合ってゆくのかを模索した日々を共有していたからかもしれない。
墨汁からちゃんと墨を磨ることを覚え、いろんな墨や和紙の種類を試した。
今もぜんぜんできていないことだらけだけど、一つ感じることがあった。
墨や和紙の素材から教えられたのは、"ゆだねる”ということ。
墨を受け止める和紙の繊細な紙の層。
水の力で和紙の上、広がってゆく墨の色。
それはまるで、
相手の力を使いながらも自分の力にしてしまうような…。
相手の力に身を任せてしまうような。
なんとなく、したことはないけれど”合気道”のような感じにも近いのかなぁと思った。
それはたぶん、東洋的な感覚なのかな?と。
日本人特有の繊細さや奥ゆかしさ、しなやかな強さというものを手にした墨や和紙から直に触れているように感じた。
生活の中で無自覚でいるさまざまなこの国、特有の素材の中で、日本人の感性は育まれているのかもしれない…。
そして、日本人の感性というものの奥行き、奥深さをもう一度、再認識する必要性を感じた。
なんにも知らない自分が恥ずかしくなった…。
まだまだ知らないことだらけだと、墨にまみれながらそう思った。
私には、あと1週間ある。
やらなければならないことがてんこ盛りだけど、自分の展示をより良いものにしたいという欲望がまだ、ある。
先発隊、がんばれよ!
スリには気をつけろよ!
そして、待ってろよ、巴里!!