行ってみたい島がある。
南の島、ハワイ島。
キラウェア火山が今も脈打ち赤いマグマが顔をのぞさせている。
そして、マウナケア山。
富士山よりも少し高い山。
その頂上の祠には、水晶の石が祀られているという。
さまざなスピリットの伝説が宿るハワイ島で製作を続けていた彫刻家の展覧会が仙台で行われた。
ランディ・タカキさん。
東日本大震災にとても心を痛め、震災後、被災地を訪れ、宮城でも展覧会をしたいという強い思いがあったという。
そして、展覧会は、実現したが、
そこにはランディさんの姿はなかった…。
今年のこの展覧会を楽しみにしていたその人は、2016年に天国へ旅立ってしまった…。
ランディさん自身が幼い子供を亡くしてから、身の回りで不思議な人影を見るような体験を繰り返した。
その影をスケッチしながら、像を形作るようになった。
ハワイのアトリエとして使われていた納屋には、天井からいたるところにランディさんの掘った”守護者・ガーデン”が無数に飾ってあったという・・・。
いつも訪ねる美術館。
このランディ・タカキさんの企画展を共に立案したのが、 小山 朱鷺子さん。
舞踏家・大野一雄氏から舞踏を学び、
そして、コンテンポラリーアートのコーディネイターとしてさまざまな作家と交流し、世界的に活躍した人物だ。
内省と悲哀と慈愛…
そして、深い祈り
そこで、小山朱鷺子さんは、舞った。
伝説を身にまとったような存在感。
80代の身体表現。
身体の可動域は、限られていたかもしれない…。
しかしながら、ほとばしる感情は、無限の宇宙まで飛び散っていた。
現代アートの生き字引のようや朱鷺子さん、愛らしく可愛らしい永遠の童女のように無邪気に微笑んでいた。
どうしても彼の作品を記憶したくて、スケッチさせてもらった。
描けば描くほど、深く身体以上の何かをを克明に刻もうとした痕跡である鑿の面の繊細さに目を凝らした。肩を優しく包み込むような慈愛と寛容性をその像から感じていた。
お会いしてみたかった…、
夢の中でもいいから、お話してみたい。
ハワイ島にゆけば会えますか?
ランディさん……