新聞の紙の質感が好きだ。
技術の進歩で紙質も変化してゆく。
昔の新聞紙はもっとしっとりしていたが、今では再生紙を使っているからだろうか、カサカサと軽いものへと進化している。
紙面も白黒から、カラーの紙面も多くなった。
カラフルになって、宣伝なのか記事なのか境界線が、よくわからくなることもしばしば・・・。
ずっと読んでいる新聞の連載がある。
読売新聞の「時の余白に」
もう何年も掲載し続けている美術関連のエッセイ。(月2度ほど?土曜日に掲載されているかと思う。)
世知辛い世の中、その縮図のような新聞。
その片隅に、静謐な時間が佇んでいるような場所がある。
芥川 喜好さん。
読売新聞の編集委員。
この人の文章がとても好きなのだ。
2月25日の紙面を読んで、どれだけ癒され、励まされたことだろう。
柔らかな湧き水のように、読む者の心にもスウッと浸透するような文章。
それでいて、気骨な芯がある。
漂う詩情と読後の余韻…。
こういう見方もあるのではないかと静かに問うている。
こういう連載が載っている間は、まだ、世の中が大丈夫なように思う。
いろんなタイプの画家や作家がいるけれど、
私は、古いタイプの作家の生きざまに惹かれる。
日本の画家も捨てたものではない。
筋の通った画家の姿を垣間見るような感じがする。
この紙面で知らない作家とその生きざまについて知ることができる。
いろいろな作家と呼ばれる人がいる。
人それぞれに活動の仕方もある。
それは、比べることができないこと。
自由でいいのだと思う。
私も先人の画家たちの生きざまや言葉にアイデアや力をもらいながら、励みにしたいと思う。